アニメや少年漫画のような世界を小説で表現するというライトノベルの原初にもっとも近い、超絶王道作品。この作品の特に抜きんでている点は、異能バトル描写の素晴らしさだ。背景設定の明解さと緻密さはもとより、各人、各能力が何ができ、何ができないか、徹底して明示されている。戦いあう両者が限られた中で最善手を打とうとし、能力の解釈を最大限に広げ、裏をかきあう。バトル作品のキモたる頭脳戦を、真の意味で堪能することができる。もちろん各キャラクターも魅力的だ。ひょんなことから最強のおねーさん探偵と出会い、助手となった主人公。舞台となる街は怪異の利用により発展した未来都市で、読者からすれば未知の詰まったおもちゃ箱だ。否応なしにワクワクさせられる。そんな街の裏で蠢く陰謀からも目が離せない。魅力的な謎とキャラクター、そしてバトルが物語を牽引する、王道ど真ん中を極限まで研ぎ澄ました究極のライトノベルだ。あなたがライトノベルに抱く夢が、この作品にはすべて詰まっている。