もしも戦前の帝都東京に巨大な地下迷宮(ダンジョン)が出現したら?そんな世界で巨大迷宮の冒険に生きる人々の生活について記録を残したのが、その時代を生きた作家の飯田逢山先生である。モンスターの生体、アイテムの利用方法、ダンジョン内部の実態……。そんな知られざる世界を作家先生がどう見たのか……。この作品では、冒険者に同行することになった彼の文章によって、迷宮とそこを探索する人々の姿が生き生きと書き記されているのである。そんな風に、初心者探索者の手記は臨場感と生々しさ、そして迷宮を知らぬ初々しさに満ちている。彼とともに、かつてあった『地下迷宮』を味わえる一作である。