ソシャゲに課金しすぎて人生を棒に振った愚かな男が、およそ課金という概念の全てを落とし込んだ能力を手に入れ、記憶を失い得た二度目の人生で課金したり真っ当に生きたり生きなかったりする話。課金とは一瞬の刹那に意味を見出す愚かにも美しい人のありようであり、ソシャゲとは世界を写し出す鏡である。リボ払いとは未来を対価に今を生きる命削りの魔剣であり、ソシャゲ廃人の課金厨は魔剣士とも言えよう。彼が切るものは、悪しき運命か、望まぬ未来か、曲がった世界か。出るまで引けば爆死はない、笑い続けて笑い話にできたならそれは悲劇ではないのだと、彼は言った。