小説情報
八柱の魔王の呪いに蝕まれる世界。神より授かった奇跡の力、《聖痕》。これを持つ者は《勇者》と讃えられ、魔物の脅威から人々を守っていた。《聖痕》を持たない探索者フォルテ。ある日彼は魔物に殺されかけたところを、最強の女勇者カイネに助けられた。短くとも絆を深めた二人は再会を約束したが、その前にカイネは仲間たちと魔王を討つ為に旅立ってしまう。ある時目覚めると、フォルテは自分がカイネになっている事に気付く。それを行ったのはカイネの仲間であるサーレ。彼女の口から、魔王と相討つ形でカイネが死んだ事、そしてフォルテ自身も死んだが、その心臓に《転生》の聖痕が刻まれていた事が語られる。カイネの死体にフォルテの心臓を移植し、フォルテをカイネとして《転生》させたのだ。希望であるカイネは死に、魔王はまだ生きてる可能性がある。苦悩の末、フォルテは「カイネの代わり」としての役割を背負う事を承諾する。勇者の力を扱うための鍛錬。サーレの行いに反発するカイネの仲間、イグナ―ルとの和解。困難を乗り越え、フォルテは勇者として成長していく。フォルテの元仲間、パシアス。彼の窮地を救う途中、フォルテは魔王と遭遇する。自らの死の原因が魔王である事実を思い出すが、イグナ―ルの助けでその場を離脱するパシアスを加えた一行は、魔王にトドメを刺すべく決戦に挑む。激戦の最中、フォルテは魔王の体内に入り込む。そこで聖痕が刻まれた心臓を発見する。カイネは生きていた。彼女もまた《転生》の力を持ち、魔王の肉体を奪っていた。完全に魔王となったカイネは、自分の力で全ての魔王を討つと語る。そのために、彼女も含めた多くの犠牲が出る。フォルテはそれを認めず、魔王と勇者の最後の戦いが始まった。仲間たちの力も借り、フォルテはカイネに勝利する。魔王となったカイネは不死。彼女は再会の約束と共に消え去り、フォルテは彼女を止めるためにも勇者として生きる事を誓う。サイトタグ:TS ライトノベル 剣と魔法 ファンタジー 勇者 魔王 転生 第31回電撃小説大賞