小説情報
「金がねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 巷で噂となっている、正体不明の賢者。 若くしてそう呼ばれている青年───ユランにはお金がなかった。 毎日遊んでは魔法の研究に明け暮れ、世話になっている孤児院へこっそり寄付。稼いでいることと言えば自分で作ったポーションを卸していることぐらい。 故に、お金がいつかはなくなるなど明白であった。「でしたら働かれてみてはいかがですか、お師匠様?」「嫌だよ、戦争or護衛の魔法士とか、お貴族様のおべっか教師とか! 俺は好きな時に遊んで研究していたいの!」 とはいえ、金を稼がなければ遊びどころか研究どころでもなくなってしまう。 そこで───「そうだ、魔法を売ろうッッッ!!!」 自分には数多の生み出した魔法がある。 作るだけ作っているだけで何もしないのであれば、宝の持ち腐れ。 じゃあ、売っちゃえばいいんじゃね? そう、ユランは考えた。 しかし───(お師匠様の魔法を売れば、貴族達が放っておかないと思うのですが……) 賢者の魔法は偉大で異質。 本人が思っている以上に価値があり、店の噂が広がった途端に色んな人間が押し寄せてくる。 貴族や王族、はたまた教会の聖女までもが興味を示して賢者の下に───「ふふっ、お師匠様……大人気の有名人になっちゃいましたね♪」「だぁぁぁぁぁぁぁっ! 楽して遊ぶ金と研究費を稼ぐだけだったのにぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」 好きな時に魔法の研究をして、好きな時に遊びたい。 それでも困っている人を見捨てられない性格のユランは、自然と彼女達の問題に巻き込まれてしまうのであった───サイトタグ:主人公最強 スローライフ 聖女 師弟 ラブコメ ハーレム コメディ 王族