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対象小説: 黒蜥蜴 投稿者: あお

探偵・明智小五郎と美しい宝石や人間をさらう女賊「黒蜥蜴」が知恵くらべ対決を行う作品です。昨今では二十面相に比べて話題に上がりづらいような気がしますが、読んでみるとこの作品が、現代のあらゆるエンタメの原点であり、概念として完全に人口に膾炙していることがわかります。
黒蜥蜴は妖艶にして狡猾、悲しい過去とかとんでもない動機とかのバックボーンもなく、ただ楽しいからという理由で好き放題やっています。ただただ黒蜥蜴のキャラクターだけが強烈に立っており、一周回ってライトノベルに近くなっています。
80年前の作品ですが、文体が非常に読みやすいのも特徴です。連載小説だったからか、地の文がナレーション的に緊迫感を盛り上げてくれたり、最初のほうの伏線を説明してくれたりと、とても丁寧です。ほかにも、たとえば星新一作品のような、いい意味で時代背景を感じさせない作品であり、古びている感じをあまり受けません。現代を舞台に何度もドラマ化されているのも納得です。さらに、過去作「人間椅子」の内容をトリックとして大々的に扱っており、ファンサービスも抜群です。娯楽として楽しんでもらう工夫が随所に見られ、現代人がジャンプやニチアサを見るのと同じ感覚で、当時の人々が更新を心待ちにしていたのが想像できます。また、黒蜥蜴の一人称が僕なのが最初だけだったり、最初は黒蜥蜴が主人公のようだったのが、いつの間にか明智が主人公になっていたり、黒蜥蜴のネームド部下の潤ちゃんが徐々に出番が減って最後は雑に処理されたりと、連載ならではの凸凹ポイントもいくつかあるので、そういうのに関心のある悪いオタクにもおすすめです。
単純娯楽小説として真の意味で不朽の名作といえます。この作品を読むのに遅すぎるということはないでしょう。
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1話
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文字数:745文字
編集日:2024-10-13
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小説情報

角川文庫『黒蜥蜴と怪人二十面相』所収。
(※キャッチコピーは名作キャッチコピーキャンペーン受賞作から)

サイトタグ:カクヨム近代文学館 名作 長編 角川文庫 江戸川乱歩

タグ一覧

話構造タイプ
短編
地の文の人称
三人称ナレーション
作品傾向
変・不思議
不思議ミステリアス
暗い・渋い
シリアス
舞台
時代
昭和
キャラクター
主人公の強さ
達人・プロ
職業・部活
探偵
内容
系統
ミステリー・謎解き頭脳戦
戦う敵
犯罪者悪の組織強敵
その他・注意
書籍化作品

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