小説紹介
ゾンビウイルスに感染するとメスガキになる世界。生まれながらのメスガキは、存在を許されなくなる。そんな世界で、メスガキであるために戦う!という物語です。メスガキウイルスの綿密な設定とウイルス流行に対する社会の反応にかなり現実味があって、初読時は題材のバカバカしさに笑えばいいのか、アフターコロナの時代のパンデミックノベルとしてまじめに読めばいいのか、かなり混乱していた覚えがあります。「メスガキ」なのでギャグみたいに聞こえますが、天然メスガキは人間性や個性が否定され、否応なしに自分をねじ曲げざるを得ない状況です。これはいわば実存の危機です。多様性の重要さが叫ばれる昨今、いかなる理由があったとして、1つの属性を排除することが果たして許されるのだろうか?と、この作品は我々に問いかけています。彼女が自分らしく生きられる日が来るのでしょうか。今後がとても楽しみです。
まずココまで!
5話
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文字数:387文字
編集日:2023-09-15
小説情報
世界はメスガキに包まれた。物理的に。 Malignant(悪性) Erythrocyte sensitized with Antibody(感作赤血球性) Severe(重症) General(全身) Arterial(動脈血中) Killercell-depletion (キラー細胞喪失) Immunodeficiency(免疫不全症)頭文字をとって、メスガキウイルス。挑発性や凶暴性、性衝動の亢進を引き起こすウイルスによって人類の首都機能は麻痺。そこはメスガキが彷徨う、メスガキのソドムとゴモラ。メスガキは、次なる感染を広げるべく麦の穂の如く地に満ちた。そしてそんなメスガキの氾濫により、メスガキはメスガキではいられなくなったのだ。登美丘ルナという少女を拾った。かつてのメスガキは、その個性や人間性を否定されて荒んでいた。この世界には、天然のメスガキの居場所はない。だから――これは、メスガキがメスガキを取り戻すまでの物語だ。サイトタグ:一発ネタ カクヨムオンリー ゾンビパニック メスガキ 現代 短編