祖父が死んだ。享年百五。大往生だった。亡くなったのは、とても暑い……本当に暑い八月十五日。慌ただしく葬式終えた後、『俺』は母に頼まれ遺品整理を手伝うことになった。と、いっても旧海軍の技術士官だったという祖父は、きちんと身辺整理しており殆ど片付いていた。要は母に付き合わされたのだ。唯一、不明だったのは古い金庫。その中身だけは、一人娘の母も知らず遺言書には短く「自分が亡くなった後に開けるように」とだけあった。拳銃が出てきたらどうしよう、なぞと思いながら金庫を開けると、そこには一冊の古いノートが納められていた。どうやら、祖父がつけていた古い日誌のようだ。ノートを捲ると、一枚の古い白黒写真が零れ落ちた。映っていたのは、理解不能な機械。そして、達筆な字で『1945.9.1.呉』。『俺』は祖父の遺した写真の正体を探るべく、旧友に連絡を取るのだが……これは、とある技術士官の悔恨の物語。サイトタグ:技術士官 歴史の闇 とても怖い 白黒写真 酒の合間 旧友 祖父の悔恨 カクヨムオンリー
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