僕には幼馴染の彼女がいた。名を花咲穂波、とても春が似合う可愛らしい女の子だった。何度かデートみたいな事もしたけど、正式に告白したのは中学の卒業式。何年もずっと一緒にいると、逆に告白が難しいものになってしまっていて。渇いた口から『穂波の事が、ずっと好きだった』って言うのに、かなりの時間を要してしまった。正式にお付き合いしてから、始めてのデートの時。僕の彼女は、僕の目の前で事故に巻き込まれてしまった。責められてもおかしくないのに、彼女のご両親は僕の事を身内席へと座らせてくれて。斎場まで一緒にバスで行き、火葬される彼女の事を、僕はずっと扉の前で待っていたんだ。生きる意味を失ってしまった。僕の幸せは、穂波と一緒に生きる事にあったのに。何を食べても、何を飲んでも、どこに行っても。考えるのは穂波のこと。だけど、いつ死のうか悩んでいる僕の目の前に、彼女は現れたんだ。異世界転生して、勇者としての役目を終えた彼女が、僕の前に。※他サイトにも掲載しております。※短編です。 サイトタグ: 短編 高校生
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