小説情報
金色の鱗を持つ竜の少女アルヴェンは、五千年の時を超えて目を覚ました。自分が何故眠っていたのか、眠っている間に何が起こったのか。何も分からないまま、とりあえず寝ている場所で争っていた正体不明の兵士たちを薙ぎ払う。圧倒的な竜の力を前に怯え惑う人間たち。寝起きの運動代わりにボコボコにしたところで、彼女の前に一人の戦士が立ちはだかった。装甲服以外は、星の鋼で鍛えた剣一本だけを帯びた時代錯誤な姿。星系最強の戦闘生物、ドラゴンである事を知って尚「来い」と挑発めいた言葉を吐く。「殺す」一瞬でブチギレたアルヴェンだったが、油断と慢心を突かれて返り討ちにあってしまう。その男――ヴィーザルは、動きを封じた少女に向けて提案する。「この場から脱出するのに、協力してくれ」彼は軍人だが、味方であるはずの者たちにまんまと罠に嵌められてしまったところだった。油断していたとはいえ、負けは負け。人間相手に敗北した屈辱に歯噛みしながらも、アルヴェンは不承不承にその提案を受け入れる。時の迷い子である竜の少女、アルヴェン。軍を追われた竜殺しの戦士、ヴィーザル。竜の翼と鋼の船が、星の海を行き交う幻想の宇宙。謎めく過去と数多の未来が煌めく宙で、二人の冒険が幕を開ける。※一章分完成済み。毎日1話ずつ更新します。サイトタグ:R15 残酷な描写あり 異類婚姻譚 冒険 スペースオペラ 女主人公 人外 シリアス 魔法 OVL大賞8