ハーメルンにたくさんある遊戯王GX二次創作を読んで、小説紹介タイトルのような気持ちを抱いたことのある読者に捧げるための作品――それが『ゲスト出演系未来のカード使用GX世界召喚決闘者』です。この作品を簡単に説明すると『GX世界で未来のカード無双が苦手な人向けの、未来のカードを使ったデュエル作品』です。遊戯王GXリマスターの発表により、ハーメルンでまた遊戯王GX二次創作のビッグウェーブが来るんじゃないか? なら、あの頃よく見た未来のカード無双TUEEE!が地雷な自分でも楽しめる作品があるといいな……そんな思いをきっかけに執筆しました。キャラクターがオリ主の踏み台のように扱われるのは見たくない。未来のカードとデュエルして一進一退の攻防の果てにピンチになるけど最後は大逆転する、アニメで何度も見てきたかっこいい遊城十代のデュエル姿が見たい!そんな人にぜひとも読んで欲しい一作です。
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1話
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文字数:406文字
編集日:2025-03-23
ミステリというジャンルは、序盤や中盤がどんなに面白くても、結末でアンフェアな解決を押し付けられる可能性があります。そうなっては全てが台無しです。出来の定かでない素人作家のミステリを読まずとも、完成度の保証された商業ミステリ小説はいくらでもあります。――だからこそ。本作品は徹底的なフェアプレイにこだわり、本格ミステリとしての面白さもしっかり詰め込んで仕上げました。解決篇を読んで万が一、アンフェアだと感じる部分があれば、どうぞご遠慮なく作者にお伝えください。作者が身勝手に定めた“真相”ではなく、論理的に導き出される“最も妥当な仮説”こそが、本格ミステリ世界の神であるべきです。どうか皆様が、推理を楽しんでくださりますように。
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5話
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文字数:331文字
編集日:2024-12-26
ある日突然、人間が暴走の危険を抱えているキメラに変異し、キメラは首輪をつけられ人間の奴隷とならないと生きられない世界。キメラに復讐を誓うおっさん(岸谷)と、彼に道具として使われているキメラの少女(サナ)が、最後の一体となるまでキメラを殺す話。サナはキメラでありながらキメラを殺す。すなわち同族殺しという自己否定を行っている。声帯が壊れていて喋らないため、何を考えているかよくわからない。この悲哀と乾いた雰囲気が、この作品の大きな魅力のひとつ。この作品の世界観の根底には差別がある。しかし、それが善であるか悪であるかという、一面的な提示はされていない。あくまでありのままの、人間の感情と行動が描写される。私はここに、電磁幽体先生の真摯なまなざしを感じた。先生のいくつかの作品にあらわれていることだが、悪とされている部分、目を背けている部分を描いても、それらを完全に否定せずまっすぐ受け止めており、そのため、人間のままならなさと、そこから来る淋しさが強調される。一部の電磁幽体作品では、一般的には欺瞞に満ちているかもしれないし、道徳的には間違っているかもしれない、そんな決断が下されてしまう。だが、それを誰が否定できようか。彼らの持つ弱さが、私たちの誰もが持つ弱さでもあるからこそ、電磁幽体先生の作品は胸の痛いところを突き、ずっと忘れられないのだ。(ここからネタバレ)最終話は、人間と道具だったはずの二人が、お互いを好き(おそらくNOT恋愛)になってしまったことを示唆して終わる。読みおわったあと、これで終わりか…と、しみじみとした気持ちと、少しの呆気なさと、もう少し読みたかったという思いが入りまじったが、やがて、作中の彼らと同様に、自分もこの2人が思ったより好きになっていたことに気づいた。となると、最後の結末まで描かれなかったのは、かえってよかったのかもしれない。前述したように、同族殺しの末路として、きっとサナは死ななくてはならない。少なくとも、岸谷は選択しなければならない。そんなものを読んでしまったら、しばらく何も見たくなくなるだろうから…
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3話
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文字数:904文字
編集日:2024-12-18
ハリーポッターの二次創作は、人気のものはみな原作に引っ張られるのか骨太の作品が多いような気がする。これもそんな作品の一つ。孤児院の少年が引き取られ魔法使いの名家の生まれであることを知るというハリーやトム・リドルを思わせるバックボーンの主人公。当主となり、徐々に成長していくさまが本作の見どころ。話が進むにつれ、名家がクソデカ名家すぎてちょっとだけシュールな笑いがあった。ハリーポッターの原作要素の中でも、特に「血統・一族」と「出生の秘密」をクローズアップして独自設定を盛り、物語を展開している。ヴォルデモート…あなたはクソだ(あたりまえ)ドライさとウェットさが読んでいてだんだんと癖になる。そして根底にあるのはふだん目立たないが大きな愛。やっぱりハリーポッターは愛の物語だよなと感じる。ここを外さない二次創作は名作。
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30話
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文字数:364文字
編集日:2024-12-15
現代においても「純愛」は人気であり、数多くの作品が存在する。しかし理論上、この作品以上の純粋な愛は存在しえないように思う。電磁幽体先生は到達点にたどり着き、すべての純愛を過去にしてしまった。メイドロボが7億380万年もの間、創造主の博士ただ一人を愛し続ける。そのあいだあまたの文明がおこり、風の前の塵のように滅びるさまは、読者に無常観を呼び起こさせる。すべてが移り変わり、変わらないものなど何もない中で、唯一不変のものが「愛」なのだ。そこには人間の肉の体なら当然生じるであろう性愛もない。(サイバーパンクだ)あるのはただ一心に想い希う(こいねがう)心のみ。これほど美しいものがほかにあるだろうか。
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1話
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文字数:302文字
編集日:2024-12-12
無感情 ロ リ 愛 者 ダンジョン探索の道具としてつくられた最強幼女がマネージャーとなった科学者とともにダンジョン配信をおこない無双します。電磁幽体先生の類いまれなる創作力が、すべて無感情ロリ最高を表現するために使われていることが最大の特徴です。情緒未発達の幼女は、命令されないと何もできないので契約した科学者に命令を求めますが、科学者はそれだけはしません。選択をさせ、配信のリスナーと触れ合わせ、だんだんと情緒を獲得させようとしてきます。それにより生まれる幼女の一挙一動がめちゃくちゃカワイイ。ささいな行動や仕草の描写もそうですが、舌足らずで語彙が足りないのが幼女をよく表現していて最高です。戦闘シーンも簡素ながら非常にカッコいい。直前までのぽわぽわした幼女が、次々敵を一瞬で倒していくギャップがたまりません。また、ふりがな演出がめちゃくちゃ決まっていて、厨二に飢えた人にもおすすめです。とにかくこの小説は読者に"無感情ロリ"を打ちこみ一生ロリコンにする危険な作品なんだ。
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6話
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文字数:471文字
編集日:2024-12-09
自分の運を自由自在にして都合のいいときだけめっちゃツイてるようにしたい、というのは、有史以来全ての人類が一度は考えたことがあると思いますが、これは本当にそんな人類の夢を叶えてしまった中学生の物語です。彼は善行をおこなうことで、自分にしか見えないゲージを貯めて、好きなときにゲージを消費してラッキーになることができます。彼はこのためにボランティアなどを繰り返しており、「偽善は人の為の善」などとうそぶいています。物語の中で、彼は運命のいたずらに巻き込まれ、幸運を全て投げうち自己満足的な自己犠牲による救済をおこないます。これが単なる偽善なら、世の中にほんとうの善などあるのでしょうか。そもそもわれわれは、彼のおこなうところの偽善を満足になすことができるのでしょうか。電磁幽体先生は、まるで魔術師のように、作品の中で複雑に渦巻く人間の感情を表現し、読者を翻弄しますが、まっすぐに人を助ける、輝かしい精神を持つ者を描くと、他の追随を許しません。「妖精の物理学」や「星滅のリット」の主人公もそうですが、本当に単純な理由で人を守り、その意志を貫き通します。電磁幽体先生は、こうした人間を、照れもなく本当にカッコよく描ける稀有な創作者だと思います。この作品の主人公もまた、他人のために全てを張れる真の男です。この作品のラストは、彼が自らの善の積み重ねで手繰り寄せて得た、素晴らしい結末です。(余談)読み終わったあとは、電磁幽体先生の別作品「レッドライン」を読むことをおすすめします。両者が合わさり、さらに忘れられない読書体験になると思います。
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1話
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文字数:673文字
編集日:2024-12-10
はじめからどうしようもなく捻くれきった百合が見たい方におすすめ。優しさと愛が残っているがゆえに、自らの醜い部分と罪悪感に苦しむ、ちぐはぐにすれ違いわかりあえない二人。本当に救いがない。「共依存」という言葉はこの作品のためにある。
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1話
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文字数:114文字
編集日:2024-12-09
思春期の将来への不安、喪失と成長をこれでもかとばかりに眩しく描いた青春小説です。私はどこかヤングアダルト小説的な雰囲気を感じ、小説の中の幻想の青春とリンクして、本を読みふけっていたあのころを思い返し、二重に懐かしさをおぼえました。もし私が中高生なら、過去ではなく現在とリンクしてさらにこの作品に共感することができたのでしょう。そう思うと少し残念な気もします。今この文を読んでいるあなたがそれくらいの年代だとしたら、あなたは本当に幸運なので迷わず読んだほうがいいです。一見シンプルな小説ですが、それはすなわち、ひねくれたものが何もなくともこれだけの傑作が生み出されたということ。電磁幽体先生の地力の高さが最もよく現れた作品といっていいでしょう。文体は平易で美しく、何度読んでも飽きのこない作品です。小説として総合的な完成度がとても高く、一度読むだけでも楽しめますが、何度も読み返すとそのたび面白さが増す魅力があります。ラストシーンはとても力強く、爽やかです。電磁幽体先生の作品は、読み終わったあとの現実を生きるためのエネルギーをもらえるので、そこが好きです。
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1話
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文字数:486文字
編集日:2024-12-07
私が電磁幽体先生の作品に本格的に興味を持つきっかけのひとつとなった作品で、非常に思い出深い。 主人公の異能はほかに類似例がほぼないであろう独特のものだが、読んでいると本当に自然にスルスルと能力について理解することができた。こうした体験は快感であり、とても心地よい。 物語は一貫して主人公の一人称で展開され、主人公の淡い恋心と、想い人を危機から救ってあげたいという素朴な使命感がテンポよく描写される。そしてそれらを前振りとして、ラストシーンでは主人公の運命に立ち向かわんとする意志と行動が試されることとなる。このラストシーンが非常に印象的であり、私は読み終えてから時間がたった今でも、暇なときや仕事で頭が疲れ切ったときなどに不意に思い出すほどに心に残っている。初めて読んだとき、私はそ…そうきたかあっ と、非常に驚いたのをよく覚えている。完全に思考の外にあり、可能性として考えもしなかった。よく考えてみると、日本人にとってこれほど身近だが遠くにあり普段意識しないものもないだろう。奇しくも近年の日本は折に触れて、「備えてもどうしようもないことはある」ということを痛いほど思い知らされる幾度もの痛ましいできごとが数多く起こった。それらがラストの主人公と重なり、異能力、そしてWeb小説という媒体から、どこか遠くの存在として距離をもって読んでいた作品が、急に今目の前の現実に確かにあるかのように感じられた。すべての構成要素がハイレベルな作品。読んでいて心の深いところまでしみ込んでいくかのように心に残り続ける傑作。
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1話
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文字数:662文字
編集日:2024-12-05
他薦
全体的にかなり丁寧で、カジュアルでありながら本気で読むとどこまでも深くなるという印象です。伏線や新展開もかなりのロングパスで、すっかり忘れていたこと、そもそも意識していなかったことを出してきたりします。後者に関しては、妖精まわりの展開で顕著に感じました。普通のなろう小説を読むのと同じ感覚で読んでいたため、あうっそんなとこまで拾ってくるのかぁっ と、本当に驚きました。全体的に伏線や設定の拾い方は、普段なろう小説を多く読んで、テンプレに慣れていればいるほど驚きが大きくなるのではないかと思います。めちゃくちゃ長いのだけがネックですが(「レジンキャストミルク」を超えて100万字越えの作家キャリア最長長編ってネタじゃなかったんですか)それでもしばらく読んでみると、長さを気にせずスルスル読み進めることができます。全体が起伏に富んでいて、飽きがきません。最大の特徴は、主人公とその家族のみならず、彼らがかかわる人々の暮らしを余すことなく生き生きと描いていることでしょう。誰一人ただの舞台装置にはなっておらず、行動や言動から信念が、生き様が、生きてきた月日がうかがい知れるようになっています。読んでいるだけで彼らの息遣いが伝わってくるかのようです。単なるキャラクターではなく、私たちの隣人として存在する人間かのように、一人一人に愛着がわいてきます。また、主人公が大人になる過渡期であることを多く描写していることも印象深いです。家族や周囲の人々と支えあいながら、内面的に成長していきます。なろう系と、若者が体験を通じて成長するビルドゥングスロマンとしてのライトノベルのいいとこどりがとてもうまくハマっています。(まとめ)この作品は異世界に生きる市井の人々の人生を描き出し、生きること、愛することの素晴らしさを心に訴えかける人間讃歌です。評価が星1000越えすれば超有名作品というカクヨムにおいて、星9000越えというとんでもない数値をたたき出していますが、それも納得です。もっとメジャーになり、広く語られるようになってもいいように思います。
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168話
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文字数:876文字
編集日:2024-12-03
電磁幽体先生の別作品「スピード×スピード」と似たような設定でありながら、中身はかなり異なる。青春の鬱屈とした思いをこれでもかと描き出していて、その勢いに圧倒される。混沌として猥雑でありながら、最後は爽やかに終わるのがたまらない。
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1話
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文字数:114文字
編集日:2024-12-01
高校をサボって便利屋でバイトしている主人公と、不死者で堕天使の店主が受けた失くし物探しの依頼から大きな事件に巻き込まれる話。あらすじから勝手に短編連作的なものかと思っていたら、一つの事件を追う長編だった。しかし状況が刻一刻と変化し、章ごとにメインとなるキャラクターが異なるので、別の楽しみをかわるがわる味わうことができた。主人公はその砕けた口調と態度から、軽い性格なのかと思いきや、読み進めていくほどにこんなに強い芯があったのかと驚かされることになった。今どきの作品には珍しく真正面から勇気のすばらしさを叫び、困難に立ち向かうその姿は、実に眩しい。逃げも照れもなく「カッコいい」とはこういうことである、を追求した作品。現代のライトノベル環境においては、かえって新鮮に映った。サブタイトルにもある「黙示録戦争」については、書籍版のラストで触れられたのみで、今回が大きな物語のプロローグといった形。2巻や3巻で終わってもらうとどう考えても消化不良に終わってしまうだろう。ぜひ長く続いてほしい。
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8話
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文字数:450文字
編集日:2024-11-30
最初はカクヨムのあとがきをネタにした作品というだけかと思ったら、直後にあまりにも非現実的な展開が襲いかかる。その2つは確かに現実にもよくあるが、同時に起こることなんて絶対に無いだろう!もっとも、この後に「そうはならんやろ」の入れ子構造が始まり、ブライアン・W・オールディスが言うところの「気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛び回る」展開の前に、最初のものはジャブでしかなかったことを否が応でも理解することとなった。スタンド攻撃ではないかとビクビクしながらスクロールしていたら、ラストの超展開を超えた超展開の前に唖然とし、最後の数行で「やられた」と思った。この作品を読み終わり、様々な感情が渦巻いたが、少なくとも評価と感想をする気にはなった。つまり、この作品のねらいがぴったりはまり、大成功したということだ。
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18話
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文字数:356文字
編集日:2024-11-29
自分に出来る限りの暫定的な真理を探し求めている子が、突然ホンモノの真実を知ってしまう話。最初に語られた彼女の持論が最後に全部自分に返ってくるさまは、まさに芸術的です。自らもまた「押し付けられた価値観を盲目的に享受することしか出来ない無力な大多数」であると知ってしまった。彼女は映画の主人公でも何でもないわけで、反抗などできるはずもない。その結果、全人類の実存にかかわるはずのこの問題は、彼女一人がその柔らかい心で抱え込むしかなくなってしまいます。しかし、ラストで確かに彼女は彼のぬくもりを感じていました。ほかのものがどんなに欺瞞でも、それを心で感じた自らだけは確かに存在していました。何もかも欺瞞と分かった中で、最後に残った信じられるもの。そして彼は、何もわからなくても、まごころを伝える。それが実に美しい。荒唐無稽で絶望的な真実にさらされるさまを通して青い心を切り取った名作です。
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1話
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文字数:397文字
編集日:2024-11-27
圧倒的な疾走感で描かれる無軌道な青春。夜の都会で、自分が最も速いことを証明するため、違法ドラッグをキメて走る若者たち。走りながら、ライバルとの才能の差を感じ、自問自答する。競っているようでいて、その実自分とのたたかい、心の問題に回帰していく。そのさまが実にみずみずしい。カクヨムの青春小説の中でも白眉といえます。この作品は作者の電磁幽体先生が高校生のときに執筆した作品だそうです。それだけでも驚嘆の域に達しますが、月日が経ち、世情が大きく変わってしまったことにより、このような一瞬を生きる無軌道さは貴重となりました。近年は、かつては想像もつかなかった悪意と愚かさ、そしてその反動なのか、しめつけるような秩序によって、早いうちから将来を考えることを強制され、考えないことは怠惰であると嫌悪される傾向にあります。しかし、いまの我々を省みると、将来のため、明日のためといいつつも、結局は目の前のことに忙殺されているではありませんか。この小説には今の我々が失い、そして最も必要とするものがあるように思います。某所で短編で高名なとある作家を評して「情報の圧縮力と語彙や表現力が同居する技量は比類なきレベル」と絶賛している一文があったのですが、電磁幽体先生の短編小説にも、これがすべて当てはまります。電磁幽体先生は「妖精の物理学」で電撃大賞を受賞し、デビューを控えていますが、デビュー後も機会があれば短編を書いていただきたいと、切に願います。
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1話
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文字数:619文字
編集日:2024-11-25
読了後、あらすじがドスンと心にくる。恋とエゴと偶然が混ざり合って生まれた、どこまでも美しく輝く悲劇。読み終わって一晩たっても、まだこの感情を整理できていない。おそらくずっと心に残り続けるだろう。
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1話
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文字数:101文字
編集日:2024-11-24
他薦
「バケモノのきみに告ぐ、」でおなじみの柳之助先生が、デビュー以前から連載している作品です。(実は当時は、バケつ(受賞時は別のタイトルでしたが)の受賞によるデビューが決定したと知ったとき、少々意外な気持ちもありました。この作品で天下を取るとばかり思っていたので…)転生者掲示板でスレ立てした>1が超天才魔法TS転生者ちゃん様の弟子となり、魔法学園で出会ったヒロイン達や掲示板の住人とともに、全並行世界の敵と戦うこととなります。連載開始当時は掲示板形式がハーメルンの流行りで、いっぱいありました。当時の私は、その中のひとつとして、更新されるごとに毎度楽しく読んでいました。と、当時はそれくらいの認識でした。だが奴は弾けた。途中から作品が爆発的な成長を始め、更新されるごとに前の回の何乗倍も面白く、熱くなっていったのです。この作品でもっとも素晴らしいのは章クライマックスの最終決戦です。いやいや最終決戦がすごいのはどの作品も同じだろ、と思うむきもあるかもしれませんが、そういった次元ではありません。物語のすべてが収束し、クライマックスへ加速していく場所として最終決戦があります。これが本当に、熱く、格好よく、美しく、素晴らしいのです!!当時、第一章の連載を追いかけていて、これは本当に物凄いものを読んでいると心底思いました。満を持して集結した掲示板の住人達。ヒロイン達。超天才魔法TS転生者ちゃん様こと、アルマ・スペイシア。そしてわれらが主人公、>1ことウィル・ストレイト。全員が主役で輝いていました。発した言葉の、地の文の、そのすべてに、それまでの物語の到達点が凝縮されていました。そのままの勢いで突入した第2章は、途中から第1章とは少し毛色が変わり、ヘヴィにガッツリ濃密な超絶バトル&ハーレムラブコメ&並行世界群像劇へと生まれ変わりました。演出力もすさまじく上がっていて、毎話が神回になりました。第2章の最終決戦も例にもれず最高で、もう本当に冗談抜きでページをスクロールするごとにしびれました。特に131話「アレス・オリンフォス――???―――」のラストシーンは、この作品で特に印象的なあのシーンのセルフオマージュというのもありますが、(何回かやってはいますがそのたびに予想を軽く超越してきます)それにしてもあんまりにもシチュエーションと演出がバッチバチに決まりすぎていて、少年漫画の見開き大ゴマで、最高の構図で真ん中に大きく最後のアレがドン!!となっている存在しない記憶が生えました。あのシーンが実際にコミカライズされるまでは死ぬわけにはいかない、そう思いました。ここに限らずこの作品は漫画で読みたいシーンが多すぎます。シーンを鮮やかに描き出し、その文章で読者の持つ五感の想像力をフルに呼び起こす柳之助先生の筆力のたまものでしょう。最初ももちろんめちゃくちゃ面白いのですが、話数が進むにつれて指数関数的に作品が成長していきます。キャラクターの誰もが愉快で、格好よく、こちらの心をストレートに撃ちぬいてきます。シリアスな中でも、どこか軽妙で砕けたやりとりがあり、そのギャップがアクセントとなって重苦しさの解消と同時にキャラクター同士の関係性を引き立てています。とにかくこの作品は近い将来、名実ともに「バケモノのきみに告ぐ、」に次ぐ柳之助先生の第二の代表作になるはずです。柳之助先生、あなたに一つだけ伝えたいことがあるんです… あなたは神だ。
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24話
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文字数:1439文字
編集日:2024-11-22
天竜人みたいな権力を持ったヒロインが主人公を3億円で人権ごと買うところから始まる物語です。サイコホラーとラブコメとエロが混ざり合った物語が展開されます。権力を用いて法外なことをするのが日常茶飯事であり、文章上ではぎりぎりR-18ではありませんが(たぶん)やっていることは言い逃れなくR-18なことを普通にやっているうえ、登場キャラたちもそれが当たり前のような顔をしているため、主人公と一緒に読者のほうも倫理観が徐々に壊れる感覚があります。ヒロインたちも誰もが一癖ある経歴・スキル・性格の面々ばかりであり、実に歪で退廃的な空間が醸成されています。読者の倫理観と理性が試される作品です。個人的にはvalue4(4章)が特に印象に残っています。ご主人様の命令でメイド全員とナイトプールで乱交するなんて…刺激的でファンタスティックでしょう。
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44話
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文字数:370文字
編集日:2024-11-17
少年クロと魔法使いの少女シロが二人で旅をする掌編を集めて一つの短編になっている作品です。旅の情景、二人が心を通わせていく日々が鮮やかに描かれています。素人目には描写はかなり直接的で、心情描写の説明もあまり見受けられないように思われます。にも関わらず、二人の心は痛いほど伝わり、感情が揺れ動かされます。極限まで突き詰められたシンプルさの中に大きな深みが生まれています。その深みは、細かな描写ひとつひとつからにじみ出ていますが、読んだ者の中でまとまり、補完され、気づけば頭の中に自動的にできあがっています。かつて過去の短編の名手たちが到達した、短編という媒体の理想形を体現した作品といっても過言ではないでしょう。
まずココまで!
1話
good/0
文字数:308文字
編集日:2024-11-17
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