あおが書いた小説の紹介・解説一覧 Tweet
全体:15件
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試し読み範囲だとコメディ的な作品のように見えますが、実は結構シリアスな作品です。みんな明るくふざけているのであまりそうは感じませんが、実は一人一人に哀しき過去…があるようです。過去を乗り越え自分の本当にしたいことに気づいて覚醒する、というのが基本的な流れのようですが、彼女らはわりと自分の欲望を全肯定しヒャッハーしています。普通は折り合いをつけるとか、そういった流れになりそうなものですが。自分勝手な感じに映らず読んでいて爽快感を味わえるのは、作者の筆力のなせるわざでしょう。この作品の良さはもう1つ、キャラクターのバランス感覚が優れていることがあげられます。この作品の残念美少女たちは、残念な性格と強力な力を持ち合わせているわけですが、それらの要素はキャラの魅力を大幅にアップさせること、物語を面白い方へぐんぐん進めるために使われています。あらすじを読んだときは、迷惑なクソ女のピカレスクロマン的な感じの小説になるのかと思っていましたが、全然違いました。邪道ではあるが外道ではないといった感じで、彼女たちの奇行をわりと安心して眺めることができます。(まとめ)涼宮ハルヒ以来12年ぶりのスニーカー文庫大賞受賞作品という、そのあまりにも重すぎる期待を全く裏切らない、非常に完成度の高い作品です。エンタメにもいろいろありますが幅広く大衆に向けたエンタメという点で見ると、この作品は頭一つ二つ抜けているように思います。何かエンタメを摂取したいときはとりあえずこれを選んでおけば損はしないでしょう。
まずココまで!
5話
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文字数:651文字
編集日:2024-01-25
不倫を繰り返されたことで妻と別れた主人公。年月がたち、新しい妻子と幸せに過ごす主人公のもとに、元妻から手紙が届きだします。NTRといえばビデオレターによる脳破壊が定番ですが、この主人公は元妻への愛などとっくにありません。そう、この元妻はNTRではなく異常行動で脳破壊してくるのです。変わらぬ愛を語った舌の根も乾かぬうちにほかの男とのただれた性生活を手紙に書く分裂ぶり。異世界に転移して冒険を始める超展開を超えた超展開。異世界からも手紙は届きますが、その怪文書ぶりには主人公ともども我々読者もあきれざるを得ません。最後にはある人物から真実が語られ、ちょっぴり切なく終わります。はーいい話だったな、あれこれ本当にいい話か?なんかすごい…心のなんかをハックされている気がする!最後まで読んだ私は、これまでの異常行動で脳を破壊され正常な判断力を失っているため、結末に対する正常な評価ができなくなっていますが、「?」をつける程度には理性がわずかに残っているので、感情の置きどころがわからなくなり、狂う…とんでもない怪作です。きっと忘れられません。
まずココまで!
1話
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文字数:478文字
編集日:2024-01-15
○あらすじ大学生の主人公の部屋に入り浸るS級美少女たち。彼女たちとの酒とタバコとパチンコとエロあるよ(笑)の依存される日常!○見どころヒロインたちのダメさぐあいが絶妙ですね。カスなクズではなくわかりやすい奇行もない(他ラノベ比)ので、かえってヒロインたちの残念さが際立ちます。他の描写もあいまって、総合的には現実的な質感のかなり高い作品です。そんなわけでハーレムにもなりません。一応ハーレムを達成した先人はいるようですが、その人は無理を通した結果、蹴っ飛ばしてはいけない道理まで飛ばしてしまったようで、見ようによってはわりと悲惨な末路を辿ってしまっています。そんなわけで、エロはあるといえばあるのですが、決定的なところにはまだまだいっていないので、なかなかもどかしいところがあります。おそらくこの過程がのちのち効いてくるのでしょうが。そんなことどうでもいいくらい主人公の周りは居心地がよさそうです。これは依存したくなるのも納得ですね。主人公に依存する=S級美少女 私はS級美少女だった…?あなたもこの作品を読んで残念なS級美少女になろう!最後に、Web版の紹介で書籍版の紹介をするのもどうかと思いますが、興味をもった方は書籍版のイラストを一度見るのをおすすめします。特に表紙は、個人的にはこれまで読んだラノベの表紙の中で最も激えろなイラストとしてお墨付きを与えたいと思います。1巻限定版のタペストリーはメロンブックスもとらのあなもとても素晴らしい。とにかくセットで読むことを強くおすすめします。
まずココまで!
5話
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文字数:659文字
編集日:2023-10-20
ゾンビウイルスに感染するとメスガキになる世界。生まれながらのメスガキは、存在を許されなくなる。そんな世界で、メスガキであるために戦う!という物語です。メスガキウイルスの綿密な設定とウイルス流行に対する社会の反応にかなり現実味があって、初読時は題材のバカバカしさに笑えばいいのか、アフターコロナの時代のパンデミックノベルとしてまじめに読めばいいのか、かなり混乱していた覚えがあります。「メスガキ」なのでギャグみたいに聞こえますが、天然メスガキは人間性や個性が否定され、否応なしに自分をねじ曲げざるを得ない状況です。これはいわば実存の危機です。多様性の重要さが叫ばれる昨今、いかなる理由があったとして、1つの属性を排除することが果たして許されるのだろうか?と、この作品は我々に問いかけています。彼女が自分らしく生きられる日が来るのでしょうか。今後がとても楽しみです。
まずココまで!
5話
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文字数:387文字
編集日:2023-09-15
他薦
巨大隕石による気候変動で人類の生息域が大きく狭まった地球。地球圏の勢力は4つに分かれ混沌を極めている。隕石から採掘された金属で人型ロボットが作られ、そして巻き起こる戦争!テロ!大量破壊兵器!戦争犯罪!パンドラの匣の中ってこんな感じなんですかね。主人公である大尉野郎ことハンス・グリム・グッドフェローは人型ロボット「アーセナル・コマンド」の乗り手(駆動者〈リンカー〉)。徹底した理性での行動により兵士の義務を果たすことを自らに課しています。しかしその理性があまりにも強固で、また彼の持つ独自の思想の背景を細かく説明せず結果的に一言足りなくなるため、口から出る言葉が冷血漢か煽りのように聞こえてしまい、相手に罵倒され誤解を受けるといったことが多く起きます。この作品は勘違いものとしての側面も備えているわけですね。いやこれ勘違いものかな?あれこれ勘違いものの面白さかな?大尉のもう一つの側面としてクソボケ女たらしがあげられます。こいつは普段は一言足りないくせに女性への親愛の情はストレートに出し、しかも自分の魅力にまったく無自覚なため、ヒロインのシンデレラ・グレイマンを筆頭に周囲の少女を落としまくっています。このことを周囲から何度も指摘されているのですが、いっこうに自覚する気配はありません。認識阻害でもかかってるのか?世界観は無情です。大尉は最強ですが最強が一人いるだけでは守れない命も多く、また大尉が投降を呼びかけても敵が聞くわけがなく、結果的に読者は人が大勢死ぬところを多く見ることになります。大尉は毎回敵兵に対し投降を呼びかけますが、この際に敵兵は拒否の返答を返します。つまり台詞が発生し、ある程度のキャラ付けがなされるわけです。これが毎回抜群にうまく、読者が敵兵に少し感情移入した後に大尉が殺すので、読者の心には深い悲しみの心が残されます。いわんやメインキャラをや。タグに「かわいそうはかわいい」とありますがこれは欺瞞です。辛いのでかわいいと思う暇はありません。作品のレビューのはずが大尉のことばかり書いてしまいました。しかし彼は実際魅力的です。鋼の理性であらんとし、それをやり遂げてしまう見ようによっては悲しき強さの中に、ぽわぽわした可愛い、無垢な一面を時折見せる。この作品は彼のそんな情緒を観測する物語と言って過言ではないと思います。大尉の、絶望だらけのように見える社会の中にいて、それでも希望を失わずそうありたい自分を極端なまでに一貫する、という姿は、作者・読図健人氏の他作品にも共通して見られます。これは誰にも負けない、真似できない作家性だと思います。乙ロボで得られる栄養素は他作者の小説では取ることのできない唯一無二のものです。乙ロボを読んでみて、もっとほしいと思った方は読図健人氏の他作品を読んでみることをおすすめします。そして私と一緒にゴエティア・ショックの発売日を心待ちにしながら、触手剣豪とメスガキの更新が来る日を気長に待ちましょう。こちらもおすすめ:【ACfA】初見で「人類種の天敵」ルートに突入したリアル首輪付きが現れ歴代レイヴンたちが感動と恐怖に打ち震える【追記アリ】 https://togetter.com/li/1683132【ACfA】初見で「人類種の天敵」ルートに突入したリアル首輪付き、誉め言葉のつもりで最大級の暴言を吐いてしまう https://togetter.com/li/1684356作者のACfAプレイ・感想ツイートのまとめです。乙ロボが一部で「作者の自伝」と呼ばれる所以ですね。
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1話
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文字数:1499文字
編集日:2023-09-15
○あらすじ異世界転生者シラノ・ア・ローは触手使いである。触手使いは淫魔に対抗する唯一の手段である。シラノは忌み嫌われる触手使いの名誉のため触手剣豪として戦うのだ!走れ、淫魔スレイヤー!走れ!○おすすめポイント・魔剣使いたちを筆頭にキャラクターがどいつもこいつも個性的で尖った連中ばかりです。殺意のありかたや戦いを求める理由も十人十色。次はどんな奴が出るんだと思っていたら、既存キャラの思わぬ一面が開示されたり…わりと早めにキャラが再登場するのでマイナーキャラの出番に飢えた経験が多い人にも安心。「ここで出てくるの!?」という意外なところでヌッと出てくるため毎回「で、出たぁ!」と驚きます。個人的に好きなキャラはセレーナとメアリ、あとユーゴです。・主人公のシラノは心に一本芯の通った男で非常に好感が持てます。どのような強敵を前にしても立ち上がる、そのタフさには読み進めるたび驚かされました。でも好意の出し方がヘタクソなのは早く直さないと大変なことになるよね…と思います。罵倒するときはあんなにうまいのに。そんなところも彼の魅力ですが。・あまり重くなりすぎないのもいいですね。ほどよい長さの日常パートや章の間の「お姉ちゃん○○」などの天丼、たまに幼児退行する一人称地の文などがシリアス分を緩和して読みやすくしているのかもしれません。・主人公の信念が強固すぎて融通が利かないように見える箇所があります。たとえば、主人公が「触手使い」や「冒険者」と言われると即座に触手剣豪っスと訂正するシーンが何度も出てきます。ほかの作品なら撤退してるよな…というボロボロの状況でも、立ち上がって戦いを続けようとします。身のまわりの女性の扱いも(先輩への対応を筆頭として)真摯に接しようとしすぎてクソボケになっているように見えます。現実の人間ではありえないほど実直さが極まりすぎているんですね。ただこれは主人公に限った話ではありません。この作品で強い奴は現実の人間ではあり得ないほど自分の中の信念を通そうとする奴、つまりエゴが強い奴です。善悪関係なく信念を貫き通し、何度でも立ち上がる者が勝ち、不利になると逃げようとするサンシタや自らの迷いをないものとしている者は負ける、この上なくわかりやすいですね。読んでいるとこれが自然と感覚的にわかるようになっているので、バトル描写はとても読みやすいです。○おわりに早く続きが読みたい! これに尽きます。最後の難行もまだですし、リープアルテの秘密も早く知りたいですね。ただこればっかりはどうしようもないので、皆さんも読んで同じ気持ちになってください。共に更新が来る日を夢見て祈りましょう。
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58話
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文字数:1128文字
編集日:2023-09-13
最近、流行の兆しを見せてきた貞操逆転作品。男女の性感覚が逆になるにとどまらず、女性の性欲が強くなる作品が多いように感じます。これもそんな作品の1つです。そういった作品はたいてい男がかわいそ…になっているものですが、この作品も例に漏れず、男は女に狙われ喰われる弱きものです。たとえば2話冒頭では男の子が道を歩いているだけでエルフとダークエルフに犯されそうになる一幕があります。かわいそ…そんなロクでもない世界で奮闘する主人公。女性たちから自らの尊厳を守るためフルアーマーを着て女性冒険者のふりをすることを強いられています。いわば男装女子ものの逆をやっているわけで、新しい概念でありながらなじみ深いと感じました。まだ序盤ですが、これからどうなるか楽しみです。
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2話
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文字数:331文字
編集日:2023-09-02
セブンプレミアム生きた乳酸菌が入ったアイスプレーンヨーグルト味の思い出(おそらく2013-2015年頃)を語る、ただそれだけの短いエッセイですが、不思議と引き込まれます。貧乏学生がアイスを買うお金がない、が食べたい!という普遍的なあるあるネタと、セブンプレミアム生きた乳酸菌が入ったアイスプレーンヨーグルト味という特異な印象に残る固有名詞のギャップがマッチして不思議な味わいをもたらしています。ラストは、人生において別れは新たな出会いを生み出す一歩であることを考えさせられ、爽やかな後味を残してくれます。そう、ヨーグルトアイスのように…
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1話
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文字数:272文字
編集日:2023-09-01
ダ・ヴィンチ大好きな鬼龍!がカルデアに潜入!そのままレイシフトに巻き込まれてしまう。ダイ・ジェスト気味で流す進行には好感が持てる冬木でカッコいいところを見せたと思ったらオルレアンで愚弄される鬼龍に哀しき現在…おおむね原作通り?ククク…ひどい言われようだな まあ事実だからしょうがないけどとにかく鬼龍は悪のカリスマと蛆虫、怪物を超えた怪物と弱き者…が同居している不思議なキャラなんだこの作品はそんな鬼龍に対する愛情と愚弄を感じるのんふうん地獄を見せる愛情もあるということか
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1話
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文字数:257文字
編集日:2023-08-05
掲示板形式で毎話1から1000まで書き切るという、なんとも過酷でお馬鹿なことを平然とやりぬいた作品がある それがこの作品です転生神を騙るこの女 人を幸福にする能力はないが 人を不幸にすることにおいては天才的 によって異世界へ猿特典を与えたマネモブを放てっ された結果あちこちの世界がモンキー・ワールド(愚弄、猿展開、野蛮人、ヤクザ、サド看守、哀しき過去…を含む完全世界だあっ)化するなんて…刺激的でファンタスティックだろストイックに時間と労力と金と愛情をかけて築き上げられた世界に"猿"が打ち込まれてグチャグチャに崩壊するんだ これはもうセックス以上の快楽だッしかもクロス・オーバー先の描写もしっかりしていて違和感なく猿世界と混ざり合っている…!余計タチが悪いじゃねえかよえーっ作者=猿先生 "愛情"と"愚弄"を併せ持つ作者は最も猿先生に近い人間なんやさあ興味のある者は今すぐハーメルンに行け急げっ乗り遅れるな"マネモブ・ラッシュ"だただし読む際は必ず"応援"を入れろ"のべれこ運営チーム"の"アカウント"がXで宣伝するからな○補足(初読蛆虫だった頃のワシのコメント)ハッキリ言って異世界マネモブ掲示板はメチャクチャ長い。空いた時間で1話を読もうと思ってたのに、少しの時間じゃ読み切れないんだから話になんねーよ。異常掲示板愛者でもない限りは休み休み読むのがいいと考えられる慣れればすぐに早く読めるようになるからマイ・ペンライ!(大丈夫)気楽に読め…鬼龍のように
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1話
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文字数:756文字
編集日:2023-08-05
異世界に転移した主人公キイが様々な知識を矢継ぎ早に出し、それを次々に活用して異世界を少しずつ発展させていきます。最初は言語が分からず学ぶところから始まる、言語が2種類ある、独自の言い回しがある、とこれだけ見ると読みづらそうですが、ハーメルン機能の注釈がフル活用されており、また2種類の言語や独自の言い回しの表現も、普通の表現から少しずらす程度です。また知識部分もわりと唐突に出ることも多いですが、よく知らなくても読み進められるようになっているので、本筋を邪魔しません。これらの絶妙なバランスと配慮により読みづらさを感じることはありません。(例えば25話「規距」の"表面的に触ってなんか適当な哲学用語を散りばめている人間は嫌いだ。Bricolage器用仕事だという弁解はきちんとクロード・レヴィ=ストロースを読んでかつ引っ張ってきた用語の意味を踏まえた上でしてほしい。"を例に出すと、クロード・レヴィ=ストロース「野生の思考」における有名な用語が使われていますが、これは1文目の主張の補強やキイの思考回路を暗に説明するためのフレーバーであり、器用仕事の意味やクロード・レヴィ=ストロースがどんな人かはよく知らなくても読み進められるようになっています。こういった配慮が本作には隅々まで行き届いています。)章終わりに解説があるのでわからないところがあっても安心、もちろんわかる人は2度おいしいとアフターサービスも万全です。キイのよいところは自分の持っている膨大な知識を即座に活かすことができるということですね。少し読み進めるたびにいちいち感心してしまったり。博覧強記という言葉はキイ嬢のためにある。あとは現代のことだけを考えるのではなく未来の発展や混乱についても考えていることですね。
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48話
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文字数:755文字
編集日:2022-11-20
縁切り神社とよばれる安井金比羅宮で縁を結んだ2人の少女の逃れられぬ残酷な運命の物語です。はっきりと説明されたわけでもないのに心情が克明に伝わり、目の前に安井金比羅宮や昭和の家屋、そしてその中で生きる人々の情景が目に浮かぶようです。これはこの作品のみならず他作品や作者のツイートでもそうなので、作者は過不足なく短い文で伝える力、文章を引き算する力が非常に高いと思います。この点においては、私がこれまで読んだ作品の中で一番だと思います。
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1話
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文字数:218文字
編集日:2022-05-02
○次カイのあらすじトジテンドの送り込んだインムワルドにゼンカイジャーが立ち向かいます。つまり(キャラの台詞が全部淫夢語録になっている以外は)いつものゼンカイジャーです。○見所カイ説!ゼンカイジャーの再現度がとても高いです。口調こそ語録になっていますが、キャラの行動や言動など根幹の部分はかなり原作に忠実だと感じました。原作はキャラ造形がかなり繊細で複雑な作品という印象があったので、ここまで再現できるのかと驚きました。また、展開も変にひねらずゼンカイジャーのテンプレ展開を使い回しています。この2つの相乗効果により、この作品は「いつものゼンカイジャー」を極限まで再現することに成功しています。2次創作として理想的な作品です。※注意・キャラの発言が淫夢語録になっています。そのほかにも、淫夢要素が大量に登場します。・ギアトジンガーが本編で見せなかった能力を使います。(発表時期がステイシー本格登場前のため)
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7話
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文字数:414文字
編集日:2022-04-02
○あらすじ2018年頃のVtuberが登場したての頃を舞台に、Vtuber事務所『Re:BIRTH UNION(リバースユニオン)』に所属する執事Vtuberの正時廻叉とお嬢様Vtuberの石楠花ユリアを中心に、Vtuberの配信生活が描かれています。○ジャンルいわゆるVtuberものです。○ボリューム68万文字(2022年3月27日現在)と、それなりの量があります。数話で1セットの中編を繰り返す形式です。○よいところ・Vtuber群像劇Vtuberものの小説だと、登場人物が個人勢の主人公とその周囲のVtuberだけだったり、箱に所属しているVtuberが主人公でも箱内だけで物語が完結していたりと、小さくまとまる場合が多いと感じていたので、様々なところに所属しているVtuberが多数登場しているこの作品は新鮮でした。出番が少ないキャラでもかなり濃いうえ実在性が高いので、小説内で推しを見つける行為がそのままVtuberを推す行為の疑似体験になります。・Vtuberへの夢黎明期が舞台になっているからか、あの頃Vtuberに当時特有の(無責任な?)希望とか夢を抱いていた時代の空気がそのまま再現されているように感じました。(起こっている出来事は現実と全く違うのに!)これだけだと懐古する作品みたいですが、タイトルに「虚実混在」とあるとおり、Vtuberと現実(具体的には「中の人」、「魂」)との関わりについて深く切り込んでおり、かなり挑戦的です。特に直接的にこのテーマを取り扱っているのは、100-106話です。ここでは設定でVtuberにおける「魂」の再定義を行い、ありがちな初期設定と実際の配信者の乖離に理屈付けを行い、物語に昇華しています。本当に見事だと思います。ここに限らず、この作品はお約束をさらに掘り下げることが多いように感じます。・Vtuberの恋愛それはダメだろ、と思わなくもなかったのですが、作中でもそれを前提にして、さらに彼らなりの納得できる答えを出していたので、安心しました。読み進めていくと自然に応援するマインドになると思うので、心配しなくても大丈夫だと思います。・民度配信者全員が努力と研鑽を欠かさぬ求道者なのは好感が持てます。常に全力で挑戦し続けている、その姿を尊く感じます。もちろんリスナーもめちゃくちゃ民度が高いです。頑張っている人を応援するという基本的な態度を貫いています。・まとめVtuberとは何か?なぜVtuberになるのか?というかなり根源的なところを掘り下げた、Vtuber文化の楽しいところを詰め合わせたような作品です。生配信やイベントなどを時系列順に描くことで物語を進めているので、実在のVtuberを追いかけている気分になります。○まずどこまで読むべきか個人的には84話が一番好きなので、そこまで読んでほしいのですが、少し長いので、まずはPhase.1が終わる52話まで読んでみてください。
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52話
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文字数:1268文字
編集日:2022-04-18
昔から厄介事に巻き込まれやすく、新しく作った友人がなぜか皆酷い目にあう主人公、首藤狩也が、唯一の友人であるヒロイン水鏡碧花やオカルト研の仲間たちとともに、恐ろしい怪異と品行方正とは無縁の危険な人間に立ち向かっていきます。○ジャンルなろうでは現実世界〔恋愛〕、カクヨムではラブコメになっています。それにしてはサイコホラー要素が強く、恐ろしい怪異と人間や曇らせ展開が容赦なく投入されるためそうは思えないかもしれませんが、この作品の主軸は間違いなく2人の愛の物語であることを、最終的には言葉ではなく心で理解できると思うのでご安心を。○ボリューム1,197,219文字は少し読むには多いような気がしますが、文庫本換算機(https://novereco.net/other/tool/bunko_count)の基準を元にすると、文庫本約838ページとなりました。終わりのクロニクル1巻(上下巻合わせて)と同じくらいのページ数です。楽勝ですね。また1話ごとの長さもあまり長くないので、思った以上にサクサク読めます。○よいところ・巧みな心情描写キャラクターから生活感を感じるのも、この作品の魅力の1つだと思います。どんなキャラも大なり小なりクセが強いところがありますが、どこか人間臭く、キャラの感じた喜びや悲しみ、葛藤や怒りにストレートに共感できるようなつくりになっていると感じます。(これは悪役も同様で、妙な戯画化とかはなく、やけに生々しい奴がお出しされます。)・恋愛模様主人公とヒロインの恋愛は、双方が奥手なためなかなか進展しません。しかしそれでも自分があまりじれったさを感じなかったのは、心情描写や実際の行動から、直接的な行為がないだけで2人が互いを想い合っていることがしっかりとわかるからだったと思います。恋愛模様に限らず、この作品からは何でもかんでも言葉で説明しないで理解させる(しかもわかりやすくしっかり理解できる)ところを感じ、かなり気に入っています(これにより、終盤にある「言葉にして伝える展開」が引き立つように感じます)。・ヒロイン好き好き大好きとか言って包丁で刺す(雑なヤンデレイメージ)感じではなく、主人公の害になる人物を影で淡々と殺すところは、なかなか新鮮でした。ヤンデレとクーデレを合わせるとこんなによくなるんですね。・主人公何度困難にぶち当たって曇っても立ち上がるところがいいと思います。これのおかげで読み進めるのがつらいとかにあまりならずに助かりました。また、彼自身がかなり面白い奴なので、当然ながらこの作品の大部分を占める彼のモノローグも常に面白いんですよね。そこもサクサク読み進められた原因かと思います。○まずどこまで読むべきか1話は主人公のモノローグで構成されています。これはヒロインが黒幕系彼女であったことが主人公にばれた後のモノローグで、2話以降よりも少し未来の話になります。この1話のモノローグが終盤でリフレインされる話(つまり、1話の時系列に追いつく話)があります。少々長いと感じるかもしれませんが、そこまで読めば、あとは最後まで楽しんで読むことができると思います。○同作者の関連作品・在りし日の修学旅行2人が中学生だったころの修学旅行の話です。https://novereco.net/novel_data/novel_list/specific/933https://ncode.syosetu.com/n4603gn/・Return valentine本編の後日談で、ホワイトデーの話です。https://novereco.net/novel_data/novel_list/specific/934https://ncode.syosetu.com/n0810gc/・聖夜系彼女本編の後日談で、クリスマスの話です。https://novereco.net/novel_data/novel_list/specific/939https://ncode.syosetu.com/n5664gr/同作者のノクターンのアカウントにも2本外伝が投稿されています。また、同作者の長編は基本的に世界観を共有しており、リンクする要素が多々あります。この作品の登場人物やその関連人物、設定も他作品に多く登場しています。
まずココまで!
321話
good/0
文字数:1839文字
編集日:2022-04-18
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